大連賓館の行く末について現地メディア報道がありました。
2017年10月31日に大連賓館(大連ホテル、旧 大連ヤマトホテル)は最後の1日営業を行い、正式に休業に入りました。
1907年(明治40年)に開業し、現在の地へ1914年(大正3年)に移転し約100年が経ちます。直近の大きな改装は約20年前の1997年でした。内装や設備の老朽化と割高な宿泊代のため周辺のホテルとの競争力にも欠け2017年の部屋の稼働率は30~50%ほどだったようです。
さらに風化による壁面剥落、壁の亀裂、鉄骨のさび、さらには耐震性検査でも問題が発生し、大連の重要な公務接待の場としての位置づけから遠ざかる一方でした。
今回、修繕にあたり2012年に大連市から国家文物局へ文化財保護特別資金の申請が行われ2017年7月に承認されたとのことです。約3,000万元(約1億8千万円)を投じて今後修繕改修が行われます。
それに伴い政府の意向で大连棒棰岛宾馆集团有限公司(大連棒棰島賓館グループ)の傘下となりました。この企業が経営する大連棒棰島賓館というホテルは習主席と北朝鮮 金委員長が大連で会談した際に利用されたホテルで国賓VIPの迎賓館としても使われています。この国営企業のバックアップが入ることになります。
今後、「古きを活かす」原則で風格を保持した修繕工事が行われ、2019年末には営業再開する見通しとのことです。
旧 大連ヤマトホテルがそうであった高級路線を取り、歴史的文化的価値があるホテルの無形遺産を十分に活かし中国東北部の玄関口としての役割の他に様々な国内外の重要なシンクタンクのプラットフォームとして芸術家、企業家、専門家の活動の場としていくことや他の旧ヤマトホテル(ハルビンの龙门贵宾楼、瀋陽の辽宁宾馆、長春の春谊宾馆)と2015年に設立した「百年歴史文化酒店連盟」を通じ顧客獲得を目指すとのことです。
しばしの別れですね。